2006年2月16日 – プラスチックス成形部品の特殊加工メーカーである佐藤ライト工業株式会社(代表取締役:佐藤利夫、本社:三重県津市)は、顧客が要求する物性を満たす特殊コンパウンドの開発・供給を目的とした「カスタマイズ・コンパウンド事業」を立ち上げるため、新たな事業部として「SPLAS(エスプラス)センター」を新設、2006年3月1日より本格的な営業活動を開始する。
また現在、同社では、新事業部の発足に伴い、射出・押出などの各種成形機を増設するための工場棟を建設中であり、本年3月末に完成の予定である。
このたび同社新事業部SPLASセンターが事業化を試みる「カスタマイズ・コンパウンド」は、顧客が要求する特性を発揮する様、樹脂材料に対して各種フィラーの配合をカスタマイズすることにより、顧客の要望に特化した特殊コンパウンドを設計すると共に、自社内で加工用母材、機械加工完成品および射出成形完成品を製作・供給するサービスである。
通常、高耐熱性や高機械強度、静電気の帯電防止といった特性が要求される樹脂部品の成形に当たっては、樹脂メーカーから一次供給される材料に対して炭素繊維やガラス繊維などの各種フィラー(充填材)を配合したコンパウンド材料が利用されている。
これまで同社では、顧客からの要望に応じて、幾つかの樹脂材料および各種フィラーを配合することにより、顧客の要求に合致する特殊コンパウンドを開発してきたが、近年、半導体製造分野を中心に帯電防止材料や成形時にソリや歪みが発生し難い特殊コンパウンドに対する要望が増えていることから、自社内に、こうした樹脂材料のカスタマイズサービス専門の事業部を立ち上げ、新規事業として取り組むことになったものである。
同社SPLASセンターの南田所長は「当面、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエーテルサルホン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PI(ポリイミド)といった、樹脂材料の中でも耐熱性に優れた高機能エンジニアリングプラスチックスを主軸に事業を展開する方針である。また、各種フィラーについては、炭素繊維やガラス繊維に加えて、カーボンパウダー、カーボンナノチューブや金属フィラーにも対応する」としており、「今後は取り扱う高機能エンジニアリングプラスチックスのラインナップも順次拡大していく」と話している。
同社では、カスタマイズ・コンパウンド事業を同社の柱として事業拡大させる方針であり、3年後には売上5億円規模にする考えである。